話すスピードが速くても、頭の回転が速いとは限らない

声の大きさの見極め方が分かったならば、次は話す速度はどうだろうか。これもよく勘違いされるのだが、早く話すからといってその人が賢い、頭の回転が速い人とは限らない。客観的に見て、しどろもどろで話す人よりは舌も軽やかに、淀みなく話すほうが聞いていて安心だし、聞きやすいのだが、それをイコール頭の良さと結び付けないほうが賢明である。

ではどのように考えればいいのか。それはその人の性格が多分に影響していると思えばいいだろう。例えば、どんなに頭の回転が良くても、性格的に慎重な人は、話すことをきちんと整理してから話し出す。だからいきなりベラペラと間髪入れずに話し出すことはない。さらには話す内容を全部整理していなくても、話す途中で整理しながら話す人もいるので、話す速度と頭の回転の良さは直接、関係はないと考えたほうがいい。

ただそれも程度問題で、話し出すのにあまりに時間がかかったり、いざ話し出しても中身が整理されていなければ、話す速度に関係なく、頭の回転が悪いと思ったほうがいいだろう。

本来、話すスピードが速い、早口の人は大きな声で話す人と共通していて、自分を認めてもらいたい、自分の話に同調してほしい「親和欲求」の強い人といえる。そのため早口でまくし立て、相手を自分のペースに引き込もうとするのである。なかには、話す内容をあまり考えずに、思いつきで話す人もいるが、そのような人も大体が早口で、直感を大事にする人といえるかもしれない。そのため相手を不愉快
にしてしまうこともよくある。

逆にゆっくり、ゆっくり噛み締めるように話す人は、性格も慎重であり、物事をじっくり進めるタイプといえる。それぞれに一長一短があるが、プライベートでは早口で話す人との会話も楽しいが、ビジネスの世界では、やはりじっくり型のほうが信頼を得るのは当然といえば当然だ。その状況を見極められるかどうかも、人を見抜く判断基準といえる。

流行語やダジャレをやたらに使う人は、その場の空気を読むのが苦手

状況が読めないといえば、流行語や若者言葉、ダジャレを連発する人も周りを困らせていることを分かっていない場合が多い。これも「親和欲求」の典型的な事例であるが、本人はいたって真面目に、その場の雰囲気を和まそうと使ったり、あるいは自分に注目してほしいと思って必死に使ったりするから、余計にその場の雰囲気が凍りついたりする。

つまり本人が思うほど、その効果は上がらず、逆に周りからその場の空気が読めない人といったレッテルを貼られている場合が多いのだ。そのような人は、静寂に耐えられない弱さも持っている。要するに沈黙が恐いのだ。自分に自信がある人は沈黙があっても全然平気だが、彼らはそれに耐えられない。そのためつい使ってしまうのである。

ただなかには、上手く使いこなす人もいる。要は相手との人間関係、その場の雰囲気をいかに上手く捉えているかだが、それはその場がどのような雰囲気になっているかを見ればすぐにわかるだろう。仲間と打ち解けたい、場の雰囲気を明るくしようとしている本人の努力は認めるが、流行語やダジャレを多用する人は、その場の空気を読めない人として胡散臭く思われる場合が多い。

専門用語をやたらに使う人も同類だ。「自分は何でも知っている、その世界のプロである」とわからせたいのだろうが、これも逆効果だ。実力のある本当のプロであれば、それをわかりやすく簡潔に説明できるはずで、その方がかえってその人の力量が発揮されるというものである。くれぐれも一時しのぎの言葉遣いに偏されないようにしてほしい。実力のある人ほどゆっくりと、自分の言葉でわかりやすく話すはずだ。

人の本音を見抜くワンポイント!

頭の良さと話すスピードは比例しない!

— posted by カミタニ at 01:13 am